📕講義の補足その4📙2019/06/11 148、は補足その5へ 147、弥勒と同じの根拠？ 146、無我、非我

🔴信文類の［5–6］からの「補足その4」です。

補足その3→https://r.goope.jp/sainenji/free/hosoku3

 

武田センセの本を読んでいて、「論文」までにはいかないけれど「論文調」に「チョーマジメ」に書いていこうと思います。(ですます調)の方が読みやすいと思いますから、(読みやすさには配慮します)

武田センセから「出来の悪い弟子が出来の悪い文章書いとるなぁ」(^_^)a

って「突っ込まれるのんを防ぐため(haha)」❣️

そして「信文類」という「現代人」に合いそうもない「部分」をキチンと解釈解説すべきと「脳」が思ったようなので。。d(^_^)

 

ーーーーーーー🔴148からは「補足その5」へ

 

147、法華経と弥勒と同じの根拠？

 

本講義の「弥勒と同じ《等覚定義》」について。。

本講義の文章から下に記述した部分を、主に読んでください。

 

ーーー(まず本講義から)

 

ここ【99】には「親鸞の大いなるロジックテクニック」があり、「阿惟越致」も「本来《初地不退転》」を意味しているにも関わらず、「梵語(サンスクリット語)」では、「法華経」の「弥勒の報地と同じ」を意味します。

と引用の中で「錯覚」を与えつつ、「阿惟越致が等覚位を意味する」と論じていますが、

これは「完全方便則」における「言語定義のすり替え」によって「納得させる」手法です。

そもそもこれは親鸞オリジナルではなく、王日休というひとの「ロジック」です。

 

(参考)「王日休」の引用原文

        我聞。無量壽經。衆生聞是佛名。信心歡喜。乃至一念。願生彼國。即得往生。住不退轉。

われ『無量寿経』を聞くに、〈衆生、この仏名を聞きて信心歓喜せんこと乃至一念せんもの、かの国に生ぜんと願ずれば、すなはち往生を得、不退転に住す〉と。

不退轉者。梵語謂之阿惟越致。法華經謂 彌勒菩薩所得報地也。

不退転は梵語にはこれを阿惟越致といふ。『法華経』にはいはく、〈弥勒菩薩の所得の報地なり〉と。

一念往生便同彌勒。

一念往生、便ち弥勒に同じ。

(なお、「法華経」においても「阿惟越致」は「不退転」の意味ですから、「等覚定義」はできません。)

 

 

ーーー(ここから読んでください)

 

 

そもそも「法華経」でも「阿惟越致」は「不退転」でしかありえず、法華経での「等覚定義」にも無理があるようです。

弥勒さんは、法華経でもよく出てきはりますけど。。

「王日休」さんに関わらず、そもそも「中国訳」や「中国撰述」には「混じりもんが多すぎ」で、現代のような「サンスクリット原典」研究したら随分様相が変わるようです‼️

 

 

けど、親鸞さんは、かなりその点の仕分けをして「化身土文類」に明確な記述があるので、「スゴイ」です❣️

 

 

 

 

 

 

146、親鸞と無我

 

親鸞は「無碍光如来」(阿弥陀如来)によって、現生に「自我滅」(破我)されて、「無我」を行じるということを「論じて」います。

 

そのなかで「自利利他」を曇鸞によって「他利利他」という「法の流れ」の「媒体」が「人間(わたし)という生」であると定義していることは、「教行証文類」を読んでいれば「自明」になります。

 

つまり「わたしが滅されて」利他を行じる者になる。

という「原始仏教」の「無我」を「重視して」、「大乗仏教」の「利他行」に念仏を止揚させているのです。

 

論としていえば「aとa’」が「b」を生む「弁証法」になっています。

厳密にいえば「aと非a」がbを生むことが「弁証法」になりますが、ある意味「大乗仏教」は仏教ではないと「論じるひとや学者」さんがいる前提でいえば、「大乗仏教は非a」になります。

(大乗仏教は「釈迦が説いたものではない」という歴史的事実を重視する立場のひとなどなどは、「大乗仏教非仏説」と主張されます)

 

ですから「真仏土文類」においても「涅槃の四徳」の中の「我徳(大我)」さえも引用から省いているほど、親鸞は徹底して「我」をとりいれていません。

 

これは、武田宏道先生の「縁起に基づく無我生死」の中で、倶舎論の「破我品」(犢子部のプトガラ批判)から「無我、非我」について書かれている部分を読んでいただくと、より明確に理解していただけると思います。

 

 

 

 

 

145、親鸞聖人の時代

 

いまでも「無為法」だの「我空法有」だのといっても理解されにくいのですから、

親鸞聖人当時、親鸞聖人の周辺には「完全方便則」のひとばかりだったと推論できます。

特に、関東の弟子の中で「仏教学」を知っていたひとがどれだけ居たか。

 

だから「信文類」中心が「真宗」だと今でも思われがちなのでしょう。

 

しかし、京都には「弟子ではない仏教学者」が多かったであろう中で、

「教行証文類」には、真実則と方便則を記述する必要があったのであろうことは容易に想像できます。

 

だから「現代において」仏教学を知らない「真宗学者」が「方便ばかりを真宗だ」といっているのは、奇異に思えてしまいます。

 

真宗の「本典」は、「教行証文類」であり、それ以外の「ほぼ方便則」の「著作や消息」ではないと言えるのですから、もっと「教行証文類」を典拠に「真宗が語られるべき」ではないのでしょうか。。

 

 

 

 

 

144、釈尊の仏教は「瞑想行」が根本である。

 

釈尊が「菩提樹」のもとで「悟った」のは《瞑想》を行じたなかで、「十二縁起」または「無常無我」を悟った。

とするなら「五念門」の「自然に対して《屈服礼拝》し《讃嘆》し《作願》し《観察》し《回向発願》する」という内容すべてが「釈尊の瞑想」と同じであるということであり、

 

「南无阿弥陀仏」と「広讃嘆念仏を行じる」ことで「名字の入れ換えによる自我滅」と「利他の欲生心」でもあるという論が「教行証文類」だといえます。

 

「名称」(名)というのは「現実を観察する上」で「重要なポイント」です。

 

「自死」といえば「悲しく挫折的なこと」と「観察」され、

「即身仏」といえば「スゴイこと」と「観察」されるのは、

 

同じ状態が「名称」で「真逆」に解釈される典型的な事例といえます‼️

 

 

 

 

 

143、臨終一念の夕(264ページ【103】)

 

こういう文言を「部分だけ抜き出す」と、「死後」のようになりますが、前後を読めば、

「これは金剛心を生きる行者が至る大般涅槃」をあらわしていて「進行形」であることがわかります！

ここで「韋堤と同じというのですから、「韋堤」は「現生定義」でなければ論が立ちません。

 

 

 

 

 

142、「仏願の生起本末を聞く」と「本願力回向の信心」251ページ【65】

 

この二つが同じ内容でありながら、「人間(衆生)サイド」と「如来サイド」に分けられているのか？

これをもって「能所不二(主体と客体がひとつになる)」をあらわしている。

と気づいたのは、この部分に「聞」の解釈があって、「信心歓喜」「乃至一念」の解釈がされているのに、《なぜ「其名号」の解釈がない》のか？

 

という「あって当然の内容がない」その理由を推論したからです。

この推論の結果が「親鸞」の思惑どおりかどうかは、親鸞しかわかりませんが、

この解釈で論を読めば、スムーズに内容が理解できます。

 

ただ「書かれていることを読む」だけではなく「仏教やここまでの論を」をまず理解した上で読めば、自然に生まれてくる「問い」です。

このような読み方をしなければ、「教行証文類は難しい」となります。

 

「物が落ちるのは当たり前」と思っていると「万有引力は発見できなかった」というのと同じです。

「なんで物が落ちるのか？」という「アホらしげな問い」が「真理」を発見させるのです。

「疑問や問いを持つ」ことが「真実」を知るカギなのだと思います。

 

 

 

 

 

 

141、愚かなわたし

 

が、阿弥陀如来に救われる」のではない‼️

 

愚かなわたしだと阿弥陀如来に「自我滅(破我)される」ことが「救い」である‼️

ここを「多くの真宗者」はミスって「仏教と相応しない」教えに貶めています❣️

 

 

 

 

 

140、恩徳讃

 

如来があらゆる衆生を「さとらせよう」という「大慈悲」を「受け入れ」て「この肉体に意味はない」と知って「慚愧自我滅」するのです。

 

「恩」というのは「いただきもの」を意味します。

「徳」は「阿弥陀如来の万徳」を意味しています。

そして「報」は「応じるの意味」、「謝」は「慚愧の意味」ですから、

 

如来大悲の恩徳(さとりへ導く教え)に、「五蘊の身」を粉砕するように「応じ」て、

「火葬して残るような骨も砕いて」「自我に意味はない、自我があらゆる苦を生む」と「慚愧」すべきである。

 

「如来大悲の恩徳は、身を粉にしても《報ず》べし、

師主知識の恩徳もほねを砕きても《謝》すべし」

 

は「信受と慚愧」をあらわしています❣️

 

 

 

 

 

139、柱(ページの外)に書いてある「信一念釈」といった分類。

 

註釈版でも「信一念釈」だの「菩提心釈」などという分類が欄外にしてあるけれど、

これは「特定の学派の解釈」によるものだから「これにとらわれる必要」はありません❣️

 

 

 

 

138、信楽(しがらき)教授の「信の解釈」

 

ひとが「真宗に出会って」「この道を歩もう」と思った時と、「充分にこの道を歩んだ人」とでは、「リアル」に違いがある。

だから「前者を《初門位の信》として、後者を《究竟位の信》と「リアリティ」によって解釈をした。

 

当時の「龍大生」はこの「リアリティに賛同」して「信楽教授」グループができたほどであった。

しかし、勧学寮は「信心に二つを立てる失」として「確定的に《異安心》にした」。。‼️

信楽教授からすれば「ひとつの信心のプロセス」を言っているに過ぎなかったのだろうが。。

「真宗学者」は「ファンタジーな戯論」を説いて来ているのである‼️

 

 

 

 

 

137、信文類を既成概念なしで読んでいてわかったこと❣️

 

こうして「信文類」を既成概念を外して読んでいて、わかったのは「信文類は単独で成立」する。

ということです。

 

つまり「教行証」という「真実則」に対して、「信」のみで「方便則」が成立しているのです。

「至心」を「信楽」して「欲生心」が生まれるというプロセスの結果について、

「証文類」や「真仏土文類」、「化身土文類」に該当する内容を記述して、

「信文類」が単独で成立するように書かれているのです。

 

そうなれば、「教行証文類」は「教行証」の《真実則》と

「信」単独の《完全な善巧方便則》

のいずれを歩むかということになります。

 

しかし、結果現代人ならば「信文類」ではない❣️

といえるように思えますし、そのような人の方が増えていくでしょう‼️

 

現代人が決定的に「信文類」では難しいというのは、

「至心」がなぜ真実か！ということについて、本文によれば、214ページの【9】に

「仏の光明はこれ智慧の相なり」「かの無碍光如来の名号は、よく衆生の一切の無明の闇を破す」

というほどで、「無常無我、空」など「行文類」にあるような「法性」についての解説などがありません。

236ページの【31】あたりの涅槃経の引用に「仏性」についての記述はありますが、

【33】あたりの「得道の人があると信じる」といった論調です。

「この道を歩んでさとりに至ったひとがいる」から信じなさい‼️

という「説得するような論調」です！

 

つまり「信文類」は、今後の「証文類」や「真仏土文類」を含めて「教行証」の文類に出てくるような「仏教の論」が《わからない人向け》の内容ですから、230ページの【20】のような「字訓」で真実性を「納得させる方法」で理解をうながすといった論調なので、「論理」とはいえないため、現代人には「ムリクリな感じ」がすると思われるのです。

 

そして、そもそもの「善巧方便阿弥陀ストーリー」が意味不明な「物語り」ということもあるでしょう。

「行文類」などのように「ストーリー」ではなく「四十八願」と「五念門行」に「真如を行じる、法性として」の意味があるという「論」の方が理解できるのです‼️

 

 

 

 

 

 

136、「なんでムリクリ？」

 

親鸞は「至心回向」を読み替えたり、「設我得仏〜不取正覚」とあるのに「成就の文」と矛盾する定義をしているのか？

 

このように「ムリクリ」矛盾した「定義」をすると、「我が名」が「南无阿弥陀仏」に置き換えられて「現生で徐々に無我に至る」という「天才的なことを考えつく、発見する」ことができたのか？

 

それが「現実」としては「矛盾した論」の上に成り立っているということが「ミエミエ」なのに、「当然のように」論じて残したのか？

 

この親鸞の「モチベーション」こそ「自然法爾」からの発見と言わざるを得ません‼️

 

ただしここでよく「頼みもしないのに、先手をもって罪深いものを特に目当てとして、既にすべてを救っていてくださる」という宗教は世界で「親鸞」の教えしかない。

ということを「国内外」から聞きます。

たしかにそういう意味では「すごい宗教」というイメージになります。

 

しかし、そもそも仏教は、現代でなんとなく定義されている「宗教」ではない。

「事実を受け入れて、法楽を得る」という上で「無常無我、空」がさとりである以上、

「自我を滅する」「世俗の持ち越しになるような救いはない‼️」と断言できることこそ、真の仏教であり、釈尊が現れた時代が「現代」ならば、「医学、物理学、心理学、哲学、天文学etc.」に分類される論理であるといえます。

釈尊は「大医王」と言われたわけですし、釈尊が「世に出ようと出まいと存在する真理」が説かれているのですから。。

 

「世俗が期待する救いはない」これが「仏教であり真宗」です。

 

 

 

 

 

135、「如来」と「無漏身」「無為法」

 

「如来」が人格化する場合「無為法」を内在した「無漏身」「報身」になります。

「阿弥陀さま」というような表現は、「凡夫」が「有為法」で語り出し、「有漏身」で語り出すという「失」に陥ります。

 

「地獄行きの《私》を《永遠の楽園》に連れて行ってくださる」と「誤ったイメージ」を与えかねません。

また、「お浄土で阿弥陀さまとお待ちしてますから、また会いましょう」というような「ファンタジックなセンチメンタル」を語り出すと、もはや「仏教」ではなくなります。

 

このように「阿弥陀さまのおさとりの国」という「自己イメージ」で語られるようになると「無漏身」「報身」が、「有為法」「有漏法」になります。

 

「無為法」が「言説(俗諦)」で語られるうえでは、「仏教学」を読み込みながら「言説」や「方便」を語らねば間違うということは「重大なポイント」です。

 

 

 

 

 

134、秘密結社と陰謀

 

日本人は「秘密結社」や「陰謀」を信じない人が多い。

けれど、それはそもそも「言語定義が違う」んです。

あなたが数名でグループを作り「あえて公開しない」とすると、それは「秘密結社」です。

 

会社などの「偉いさん」が、どこかの企業と癒着し、「リベート」や「キックバック」を内緒でもらって、仕事を振っていれば「陰謀」になる。

 

それが「どのレベルなのか」の違いだけ。

日本人はけっこう「言語定義」しないので、「そんなん都市伝説や」っていう。

この「都市伝説」っていう言語も定義されていない。

 

「トイレの花子さん」がいるいないと「どこかの国が国家レベルで策略していても」

どっちも「都市伝説」のひとことで語るべき性質ではない。

 

仏教を学ぶ上では「言語定義」が重要であることを知っていた方が良いといえます❣️

 

 

 

 

 

133、有機物と無機物

 

一切の存在には「仏性がある」という場合、「親鸞さん」や「ほぼ第二次世界大戦」以後までは、

「無機物」という存在が「ほぼなかった」といえます。

 

石油はもとより、プラスチックやコンクリートのビルなど、親鸞さんの時代には、想定外だったことは「明確なこと」です。

しかし「無機物」といえど、人間が作った以上、すべては「自然(じねん)」の「生成物」といえるでしょう。

また、「無機物」といっても「有機物」の成分(炭素など)が入っている以上「有機物」からの派生物といえるし、「地球」自体が「仏性(自然)」であるといえるから、

「有機物と無機物」ともに「すべてが仏性」といえます。

 

 

 

 

132、月は円なのか、球体なのか？

 

現代で「こんなこと」をいうと「球体」でしょ‼️

ってなりますが、親鸞聖人の時代は「月は」「円でもあり半月や三日月」だったりと、

太陽よりも「不思議な存在」だったといえます。

だから「いまでも」「月の満ち欠け」で「どうなるこうなる」っていいますが、

そのほとんどが「迷信」です。

しかも「太陽から来てるのは紫外線ばかりではない」し、わたしたちが「認識していない」電磁波や放射線も来ているでしょう。

「とにかく明るくてまぶしい太陽」はわかりやすい。

「なんか形が変わり、夜を照らす月は神秘」って感じだったんでしょうね。

昔の人は‼️

 

 

 

 

131、「ゼロ」は「無」なのか。

 

「なにもない空間」があるとすると、「その空間を成立させているなにかがある」ということになります。

まるで「風船」の中のように「空気」があるから「風船の中のような」なにもないと思われる空間があります。

現代の物理学でいうように、「星と星の間」には見えない「ダークマター」という物質がある。

じつは「宇宙空間には物質がつまっている」風船の中の空気などのように「なんらかの物質」が「空間」を作っていなければ「空間」が成立しません。

 

仏教の「虚空無為」というのはこのように「妨げると思われるものはない」けれど、存在を成立させる場(空間)がある。

ということになりますが、「本当に何もなければ《仮和合》すらありえない」ということになるから、天親さんは「五位七十五法(倶舎論)」または「五位百法(唯識論)」という「我は空であるが、法は有である」と論じましたが、結果「龍樹さん」の「我空法空」が大乗仏教の基本になっています。

 

では、かといって「本当になにもない状態」は認識すらありえないので、「無我」の「無」は「そもそも宇宙や自然界、そしてわたしたちという個体に固定的な実体(我)はない」といっているのであり、「我」は「ゼロではなく無」であるといっています。

 

また「非我」は、「我だと思っているところの存在は《我ではない》」といっているので、

「我ではない」けれど「法は有である」ともいえます。

つまり「我」だと思っているけれど「ゼロ」だといっているわけです。

 

こういう観点から説明すると「龍樹」は「無」を説き、「天親」は「ゼロ」を説いているといえます。

いずれにせよ「存在の根源」が「ゼロであれ無であれ」「我」が有るという「誤認識」「錯覚」という「無明」が「苦」を生んでいるという「ブッダ」が説いている「真理」は同じです。

 

 

 

 

 

 

130、「至心に回向」された。

 

「至心」を回向する「法蔵菩薩の第十八願」は、「至心という真実心」を「回向すること」が「利他成就」なので、「至心という真実」と「その真実を衆生に回向(ふりむける)」ことは、「同じ」です。

第二十願などに「心を至し、回向する」という表現は、「心を至す」主語が「衆生が心を至す」という「衆生」になるので、主語が違うために「表現」が変わっています。

 

第十八願や成就文で「至心」と表現される場合は「主語」が「如来」になります。

その「至心という仏性」を「疑蓋無雑の信楽」で受け入れるという流れで、「衆生が六字(名号)の仏性を得る」と「従来の解釈」でいえば、流れはスムーズに「わかったような感じ」になりますが、

 

「教行証文類全体の構造」でいうと、本講義［5−8］に書いたように、

「涅槃経」などを通して「解釈」されている部分で、

「至心に会う《信楽》ことで、衆生が衆生自身に当然本来ある《仏性に気づく》ことになる」と解釈させているように理解しなければ「多くの課題」を説明できなくなります。

「従来言われる《仏教ではありえない衆生無仏性》」や「名号という仏性が遍満している」という「遍満仏性説」はさまざまな問題を生みます。

例えば。。

「名号に出会わなかった子どもは成仏しないのか」

「蜎飛蠕動はどうやって名号を認識するのか」

「草木国土成仏(唯信抄文意)はどう理解するのか」などあげたらキリがないぐらい説明できない問題に直面して、過去の教学の歴史でこういうことを「テキトーな回答」で「流してきた」という「あいまいな教え」に貶めてしまいます。

 

そもそも「真実則」でいけば、「至心」を「信楽」によって受け入れたところで「仏性を知る」というプロセスは必要ありません。

天親さんの「一心」でこと足ります。

しかし「当時《真実則》では理解されない」ことから「教行証文類」が「教行信証」と言われるようになり、真宗義は「信」がポイントだといわれる中で、「方便則」が、さも「真宗義」であるかのような「錯覚」がされてきたということです。

 

「親鸞聖人」は「真実則」と「方便則」を並行して論じています。

何度も書きますが、だからこそ、これこそが「草木国土含めて」すべてを「成仏」させる「究極の仏教」だという内容が「教行証文類」だといえるのです。

 

 

 

 

 

129、智慧と「情」

 

親鸞さんは「非僧非俗」といって、「出家」という「完全に俗を離れた」訳ではないけど、

「俗世の価値」で生きるのではない。

と書かれています。

 

いまでいうと「成功」定義が「セレブ」というのは「資本主義の価値感」です。

京都人がいう「成功は思いがカタチになる」というのでもない。

 

仏教でいう「成功」(功徳成就)」は、「無常、無我(執着を離れる)」です。

公然とはいえないけれど、「仏教は基本」「感情否定論」といえます。

「執着」は感情から生まれるからです。

 

お釈迦さんは「無常」だから「無我」であるという「真実、真理」を悟り、

そのまま「即身仏」になろうとされたけれど、

「五人の修行者仲間」から「悟ったところを説いてほしい」と言われて、

「説法」が始まりました。(物語り的には、梵天が説法を願った「梵天勧請」といいます)

 

そういう意味で、ブッダは「修行者」になる前に結婚していた「嫁と子ども」も「出家させて」

もともと「釈迦族」の後継ぎだった釈迦は、「子どもを出家」させることで「部族(釈迦族)」が滅ぶとわかっていたけれど、「おごれる平家も久しからず」のように、

釈迦はそれが「自然界の摂理」(無常)だとされました。

 

現代の脳科学的に言っても「感情」が「苦」を感じさせ、トラブルを生み、「周囲」を振り回すというのは、「脳の扁桃体」によるといわれます。

だから「お釈迦さん」は、徹底して「前頭前野タイプ」つまり「論理(知性)」のひとでした。

 

「法楽」という「楽」は、「人間的な楽」を求めない「自然に対して屈した状態(これを礼拝と言います)」をあるがまま生きる「楽」です。

ブッダは、静寂をもっとも「現実的なさとり」すなわち「法楽」とされたんです。

静寂は「死をもいつでも受け入れる」という状態ですから、禅の思想に寄った武士は「覚悟」(覚も悟もさとるの意)という生き方をしたのです。

 

しかし、現実的に「現代で」、釈迦のように「出家」の「治外法権」ではいられないので、

そこまで徹底することは難しいのです。

 

しかしこういったことがじつは「平安時代」から「末法思想(まっぽう)」として「唱えられて」、「仏教界」で「世俗のチカラが強いから、さとれない」ということが言われるようになりました。

 

そこで「出てきた」のが「親鸞さん」などの「鎌倉仏教」です。

「在家仏教」という「世俗にいながら世俗に染まらないテクニック」です。

 

例えば「自分の楽しみに価値を見ない」で「人を育てる」。。

そういった「利他に生きる」というあり方です。

 

そこで「智慧(ちえ)」ということが重要になります。

 

「鎌倉仏教」のテーマは、「なにをどう選ぶのか」という中で、

「念仏」「坐禅」「お題目」などという「選びの智慧」からスタートします。

 

つまり「仕分け」です。

日常の中で「なにを選び取るのか」という「智慧」が「大きく人生を変える」ということです。

 

こういう「日常に智慧をもって生きる」ことが、「人生を大きく」変えます。

 

以上の文章は、

最近依頼されてお葬式をしましたが、そこで「現世祈祷」に熱心な「真宗ではないお寺」に通っている人が、「葬儀の仕方やその後の供養について」どうこうと言っておられる中で、

その人の「感情」に振り回される「喪主」さんの姿を見ていて、「初七日」において「仏教の本質」をお話しした中でのやり取りを「まとめた」内容です。

 

これも読んでください‼️(36の部分)

https://r.goope.jp/sainenji/free/ohanashi

 

 

 

 

 

128、無明、光明

 

「無常無我、空」の持つ課題を、「補足その3」の127で「有」について記述しましたが、

こういったことは「日常普通に生きている」と「なんの意味があるのか」と思う人も多いでしょう。

それこそが「無明」であり「仮和合我」(自我)を生きている証明です。

 

「日常」のあり方が「生命体」を「あくせくと資本主義」に貶めている。

人間に生まれてよかったかどうかは「価値観」でしかないので、良いとも悪いともいえないけれど、

この「人間種という生命体」は「真実」を求めようとしているのは「事実」であり、単純に「日常」にそのような思考は必要ないと思わされているだけであると言えます。

「自分はナニモノなのか」「生きているという中で最善と思われる思考はどういう状態か」など、哲学という部分に、物理学やその他の学問、そして「さとり」を学ぶことで、

「避けられるストレスやトラブル、パニック」などは多くあります。

「じつはナニモノなのか」問い続けて「こんな人生でよかったのか」と心のどこかが思っているのに、「日常に関係ない」と「あえて対峙することを避けている」と、

「この問いが重要だったと気づいた時には、頭の固い年齢になって、難しいことはどうでもよくなる」といったことはよくある「人間種のありさま」です。

 

「わたしはナニモノなのか」問い続けて「無漏のさとり」を観ながら生きることが「人間種」として、生きるうえで、「不要な悩みが削除されていき、日々に多次元のステージが変わっていくよう」に思います。