30/10/21📕質疑応答編💝

最近あちこちからご質問をいただくので、重要だと思うものを掲載します。

(質疑いただいた方の了解の上に掲載しますので、今後もご質問をご遠慮なくくださいませ)

 

8、日蓮さんはマジでこんなことをいったのですか！

 

7、【問い】

勉強させていただいております。

以前から気になっているのですが、正信偈のはじめに「五劫思惟。。。」とあって、

「重誓名声。。。」という流れに、願いと誓いは出てくるのに、「兆載永劫」の修行について記述がないのです。

なぜでしょうか？

気になっています。

 

【回答】

正信偈は行文類に、五念門行を「法蔵菩薩の行じた行」とされており、かつわたしが法蔵菩薩とともに行じる行と規定されています。

 

そこで法蔵菩薩の行は充分に記述があって、正信偈は、十方諸仏の浄土の因果「覩見諸仏。。。」という諸仏の勧めをわたしがどう受け入れて「行じるか」という「正信」を明らかにされたものなので、あえて行に言及されていないともいえます。

 

また「五劫思惟之摂受」で願行具足するという見方もありますが、基本は行文類と信文類のつなぎですので、正信について言及されているからと見るのが妥当でしょう。

 

 

 

6、【ご意見】

 

ご回答はいりませんさかい、意見だけいわしとくんなはれ。

 

こりゃ中神はんにも考えて欲しいっておもてます。

 

真宗だけが真実ってなんでいえるん？

真宗以外は末法の現代人に合わんていうてるけど、

真宗が合わへんのんちゃう。

 

せやしまともに真宗で生きとる坊さんって見たことないわ。

阿弥陀さん阿弥陀さんっていうとるけど、

布教使のギャラってたっかいねんで。

 

ギャラ目的の布教使がゴロゴロ。

耳障りのええこと言うて、ゴッソリ法礼とか言うて、

ようけもろてかえらはりますねん。

 

ほんで、また金儲けさせとおくれって感じで、

お礼状が来まんねん。

営業ですわ。

 

商売商売。

 

わしゃどこそこでこんだけもろたって自慢する愚かもんもいますねん。

 

結局真宗の坊さんも資本主義者で、もらったお布施でええ車乗ったりええ家建てて喜んでまんねん。

 

決して困ってる人がいても社会還元なんて考えとらへんから。

こんなんが真実を生きるなんていうとる。

 

他の信仰を排除するなら、ジハードしなはれ、真宗坊主さん。

ジハードする勇気もないもんが、真実を生きるなんていいなはんな。

真実を生きてへんねんからそもそも。

 

イヤイヤ真実は阿弥陀さんでわしら凡夫やし、お浄土行ってから真実になりますねん。

真実を意識して生きたら自力になりますねん。

 

ほんで…

 

ようわからん人の集まりやね。

本音と建前の使い分けを教えてんの？

真宗さんは。。。

 

まじ上手いなぁ。

 

けど見抜かれてまっせ。

 

 

 

 

みなさんのご感想をお聞かせください。

あえてこのかたが書かれていますので、回答はしていません。

 

 

 

 

 

5、【問い】

 

私には教義の難しいことはわかりませんが、

思うことを書かせていただきます。

 

阿弥陀さまは私の姿を見て、哀れみ、放っておくことができないと

あえて迷いの世界に来られて、私を迷いから救うために願いを立ててくださった。

 

そしてご苦労のすえ私を救う手立てである南無阿弥陀仏というお名号となって

この私の中に入って働いてくださるんだって思っています。

 

仏となることで私は私ではなくなり

自由自在に他を利する身にならせていただくわけですから。

 

よくいうように、お浄土で必ず会える、かも知れないのですけれど、

それはお浄土へ私たちが行きたくなるように導いてくださるご方便なのでしょうか。

 

仏になって、もはや私ではない私になっているのに、

懐かしい人に再会することは重要なことなんでしょうか？

 

縁あって出会って、別れた人ともう一度会いたい気持ちはあるのですが、

これって人間の煩悩ではないのだろうかって思ってしまいます。

 

私が仏になれば、そのような気持ちは意味を失うと思います。

 

仏になれば、自分が救われたのと同じように、

苦しむ他の人々を救いたいという気持ちに動かされるだけじゃないのでしょうか。

 

【回答】

そもそも念仏は、難しいことを知らなくったっていいと思います。

ありのままに仏願にいきていれば。。

 

「倶会一処(くえいっしょ)」だって、布教でよく言われているような、

「また浄土で会いましょう」ってこととは違うようですよ。

 

阿弥陀経には「勝れた聖者と会う」という意味で書かれているのだから、

こういう「また会える」というのは凡情に合わせた方便でもないと思いますよ。

 

実際布教の現場では、それこそ難しいことを学ばないで、

都合のいい「ありがたい話」があると、パクリの連鎖をしてるだけに思えます。

 

こんなことがいっぱいあるので、僧侶や中でも布教や学問の専門を名のる人は、

教行信証の正しい理解が重要と啓蒙しております。。

 

無駄な努力と思いもしますが。。。

 

ここでいま【問い】に書いておられることは「的確」でその通りだと思います。

 

仏教は、布教上「知と情」のバランスが大切です。

あなたの【問い】の文章はその調和がいいと感じました。

 

実際に布教使は「情」に訴えかけて、自分のファンを作ることで名利を求める「不浄説法」が多いものです。

 

私が信頼している「ある布教使さん(ほぼわたしと同い年)」は「私は不浄説法です」とまじめに明言しています。

 

そういう人こそ「真実」だと、わたしはそのかたを尊敬しています。。

 

 

 

《オマケ》

一切衆生に悉く仏性有り。

一切衆生と悉有は仏性なり。

どう読むかによって意味に幅が出てきます。

諸々の有と衆生といえば、有情無情も共にとなる。

無機質な存在も真如であるとするなら、有に衆生を含有する。

つまりは25有であれ、あらゆるであれ同じであると言えます。

 

 

 

 

 

4、【歎異抄をプロファイルする】

 

【問い】

 

この前散歩中、あるお寺の掲示版に、

『＜親鸞塾＞／毎月第〇土曜日午前〇時～〇時半／テキスト：歎異抄／講師：当山住職／参加自由』

との案内が貼ってあるのを見つけ、「えっ？！」となりました。

 

「テキストが歎異抄なら、親鸞塾ではなくて「唯円塾」ではないん？」

「どうして親鸞さんが書かれたものを使わへんのやろ？」と思ったのです。

 

「そういえば、毎月行ってる市民向けカルチャーもずっとテキストは歎異抄だし、毎月1条ずつ２年で一回りして、また次の２年も繰り返して、ずっと歎異抄をやっている。なんでやろ？」

と疑問が膨らんできました。

 

歎異抄については、西田幾多郎が「あらゆる書物が焼失しても『臨済録』と『歎異抄』が残れば我慢できる」と語ったと伝えられるなど多くの先哲がそれを高く評価し、愛読していたと言われる一方で、山折哲雄さんのようにその価値を否定している人もいます（理由は忘れました）。

 

私も、最近は、歎異抄は必ずしも親鸞さんの教えのすべてが凝縮されたものではないのではないか、唯円さんが理解した部分についてだけであり、また理解したつもりで親鸞さんの言っていないこと言っている（たとえば第１条。「念仏申さんとおもひたつこころのおこるとき・・・摂取不捨の利益にあづけしめたまふ」。これでは念仏しなくてもよくなる）ところもあるのではないかと思うようになってきています。

 

一方で、大切な親鸞さんの法語もちりばめられているようで、いろんな先生がよく引用されることばもあり、きちんと押さえておくべきところは正しく理解しておかないといけないな、との思いもあります。

 

歎異抄を学ぶうえでの留意点について、お教えください。

 

 いま私なりに考えている留意点は、

 

①歎異抄は親鸞さんの教えが凝縮されたものとして、これさえ読めばというものではなく、あくまでも法語集として捉え、他に御消息なども大切なのではないか。

（教行証文類は当然として）

 

②歎異抄の中では、親鸞さんの法語部分を、きちんと学びたい。

 

の2点です。

 

  

【回答】

 

歎異抄については、私も思っていたことですが、これは親鸞聖人の純粋な教えではないと思っています。

 

歎異抄がみなさんの興味を引くのは「善人なをもて往生をとぐいわんや悪人をや」等のロジックです。

 

また「親鸞は法然に騙されて地獄に堕ちたりともさらに後悔しない」「親鸞は父母の孝養のために念仏を申した事は無い」などなどいろいろありますがいずれにせよインパクトがあり、ロジックが面白いのです。

 

例えば、「法然に騙されて地獄に堕ちても後悔しない」と言いながら、その理由が、全く法性や真如とは関係のないもので「ただ煩悩の私はこれ以外に道はありません」と言った、およそ教行証文類を書いたひとがいっているとは思えない意味のわからないものになっています。

 

むかしは「賭けの論理」ともいわれ、「これしか方法がないから地獄に落ちてもともと」という解釈

や「それだけ法然さんを信頼していた」などと論じられましたが、いずれも非論理的です。

 

この答えが、もし教行証文類を書いた親鸞さんのものであれば、「私は地獄に落ちても後悔はしない、そのわけは地獄と言うものは、私たち人間の心が作り出しているものであり、真如には、そういうものはありえない《名》すらない」と答えるはずです。

 

もしこの文面通りであるならば、この唯円と言う人は、まだまだそこまで達していないと親鸞が判断したのかもしれず、ステージの低い問答になっています。

 

とても教行証文類を書かれた人の回答であるとは思えません。

 

「善人なをもて往生とぐいわんや悪人をや」について、

これはもともと法然聖人の言葉であるとも言われていますが、方便法身の阿弥陀仏や浄土ならば言えなくもない話ではあります。

 

そもそも往生と言うことが、教行証文類では無生の生の扱いになっています。

 

このポイントが親鸞のものであるならば「善人であれ悪人であれ、みんな本来は法性であり空性であり仏性である」と答えられるであろうと考えられます。

 

もちろん”かの学派”は、「人間は無仏性」で「阿弥陀仏の遍満仏性が信心とともに入ってくる」と解釈しますが、親鸞さんが「草木国土も悉皆成仏す」と書かれ、異訳の「大経」に「虫にいたるまで」とあるのですから「無仏性」はありえません。

 

つまり親鸞聖人は教行証文類という、難しいことを書きながら、唯円たちには「難しいことを知りたいならば比叡山や奈良へ行け」と促している。

 

もし唯円さんに歎異抄のような話しをされたとするならば、唯円たちのステージが、その程度であったといえます。

 

私はご消息を含めて、読み手のある文章は、まず大前提として、読み手の能力やレベル、ステージがどのようなものであるかを考えて解釈しなければならないと思っています。

 

御消息や歎異抄は、親鸞聖人の対機説法ということです。

 

とにかく一般的にも有名なせいか「歎異抄」ばかりが教材として使われます。

 

わたしは以前、歎異抄ばかりを題材にすることに歎異しました。

 

およそ「法然が言うことが真実ならば、善導の言うことも真実で、善導が言うことが真実ならば、釈尊の言うことも真実である」といった、全く非論理的な論が展開されている歎異抄は、親鸞さんの言葉とは思えません。

 

親鸞は父母の孝養のために念仏を申したことがない。

 

と言うこの文章をどうして「親鸞聖人は先祖供養をしなかった」と判断解釈できるのでしょうか。

(ここで親鸞さんはまず、話しを父母に限定されていて、先祖とはいわれていないし、親鸞さんにすれば、父母との関係すらが幼少期だけのものであり、「そのようにほとんど知らない父母に対してこそ、常識では孝行の代わりに孝養、供養すべきであるかもしれないが。。」という前提と読み込めます。)

 

もちろん先祖供養は仏教ではありませんが、この文言はそれ以上の意味を明確にされていて、唯円はそれも理解していないといえます。

 

(◎)に書いたような前提としても、じつはここからが本質です。

 

じつは、この文言の説明部分の「世々生々の父母兄弟なり」が重要な部分で、これは輪廻を表すものではなく、ここで真如の「因縁起生」を表しています。

 

つまり目の前の父母だけが私との関わりを持つ存在ではなく、すべてのいのちが因縁起生する中でかかわりあっているという「空性」を表していると考えられます。

 

このようにいろいろありますが、

 

とにかく歎異抄を親鸞聖人の言葉として読むについて教行証文類との矛盾が各所に見られます。

御消息と同じように「親鸞聖人による対機説法」としか考えられません。

 

もちろん歎異抄の全てがそうであるとは言えませんが、あくまでもおっしゃる通り「唯円の教え」であり親鸞聖人のものではないと言う前提で学ぶ必要があります。

 

とにかく歎異抄はそのロジックつまり表現方法や論調が意外なものになっていて面白い。

そういう点で世の中に受けたのだと思います。

 

歎異抄についてはおおよそザクとこのように思っておりますので私はほぼ用いません。

それならば他の和語による「唯信抄文意など」すぐれたものがたくさんあるので、そちらを学ぶ、または用いる方がよほど教行証文類に近いといえます。

 

ただし「和讃」については、親鸞聖人が80代後半に書かれているものが多いので、

その時期の親鸞聖人の心理状態を考えると、少しおかしなものもあると分析する姿勢が大切で、それは親鸞さんも納得されるでしょう。

 

明治から昭和にかけて活躍された、お東さんの「暁烏さん」も「以前のわたしと今のわたしは矛盾したことをいっていると指摘する人があるが、それは当然である」「人間だからこそ認識も変わり、その矛盾を一致できるのが仏教である」と書いています。

 

仏教が「空性を教え、固定された状態はないという不確定(無常、無我)」を説くものだからということです。

 

いずれにしろ、教行証文類を学んでいなければ、浄土真宗と言うものの根幹はわからないまま、枝葉ばかりを追いかけていることになります。

 

それほど教行証文類を教えたり学べる場所がないのです。

龍谷大学にせよ大谷大学にせよ仏教学院にせよ同じことです。

 

ですから以前は各学派の塾があったのですが、今は行⚫️教校しかないのが残念です。

 

ただあえて言及するならば、歎異抄の重要なところは、「さるべき業縁のもよおさば」などのポイントです。

 

人間が抱えている事実を的確に言い当てている部分が複数あります。

 

そういった部分は学ぶべきでもありますし語るべきでもありましょう。

 

この点は後日改めてお話し致します。

 

このたびのお尋ねについては以上です。

 

 

 

 

 

3−plus

先ほどの回答に付け加えます。

 

親鸞聖人は教行証文類の真仏土文類のはじめに、

まず、阿弥陀如来は光明であり、光明は智慧であると定義されます。

 

そして、「涅槃経」の涅槃の徳を詳しく引用して、

真の「常住」「楽」「浄」についてあきらかにされながら、

根本仏教の「無常、無我、寂静」を明らかにされます。

 

 

つまり、真仏土文類を貫くのは、如来は真如法性の光明であり智慧であるから実体のない「空性」であること。

 

わたしが導かれるのも、この「さとり、法性、空性」であるということ。

 

 

これが、阿弥陀仏や浄土と表現される状態の本質であることを、

「帰命尽十方無碍光如来」という「光明=智慧」をポイントとして定義されています。

 

ですから、親鸞聖人の結論は、無碍光如来を聞見することによって、

わたしが智慧を得て、さとり=法性にいたると明らかにされています。

 

教行証文類以外のご文で、「阿弥陀仏は自然のようを知らせん料なり」などと書かれていますが、

 

「料」は手だてを意味しますので、「阿弥陀仏は自然のありようを教える手だてである」といわれていることと符合するのです。

 

「自然」は「無常、無我、空性、実相、仏性」などとあらわされる「さとり」そのものです。

つまり、あらゆるものごとは「さとり」そのものであるという真実、事実、真理です。

 

 

 

 

 

3、観察門と三業のことそして念仏について。(難易度10の8レベルです)

 

ご無沙汰をしておりました。

 

先日のご法座お疲れさまでした。

 

毎日のHPの更新作業、ありがとうございます。

「あきおちゃんのお話」を『仏教初心者のみなさまへ』として基礎的な部分に触れ、『法話ver２』と『小難しげなお話ver２』の２講座については、その内容の棲み分けを徹底されたようで、より学ばせてもらいやすくなった（教室に入りやすくなった）と感じながら、毎日通わせてもらっています。

 

特に一昨日でしたかに『小難しげなお話ver２』にアップしていただいた『7)ともに五念門に生きる』については、私にとって、先日「お寺」でのお話をより確かめさせてもらえるものでした。

 

実は、この五念門に関して、最近『？』と思っているところがあります。

 

それは、信楽先生の本を読んでいると、

 

阿弥陀仏の本願に基づく浄土教の仏道には、阿弥陀仏を仏身として象徴しそれを見るという「見仏（観仏）の道」と、阿弥陀仏を仏名として象徴しそれを聞くという「聞名の道」の２とおりの道があり、

 

龍樹は、無量寿経が説くところの聞名不退、聞名往生に着目して、礼拝、称名、憶念の身口意の三業に基づく行法を示し（＝聞名の道）、

 

天親は、「いかんが観じ、いかんが信心を生ずる。・・・五念門を修して行成就しぬれば・・・かの阿弥陀仏を見たてまつるを得。」（浄土論）として五念門を行ずることを勧め（＝観仏の道）、云々

 

のような記述が度々出てきて、

 

無量寿経⇒七高僧⇒親鸞ときて開顕された念仏成仏の仏道は、難行である観仏の道に対して、易行である聞名の道であると、これまで単純に思っていて、イコール、最近先生からお聞かせいただくことになった五念門もその一環としての聞名行だと理解していた私にとって、いま『？？』となっているところです。

 

このあたりについて、私の思い（理解）の軌道修正をお願いします。

（たぶん根本のところが間違っている、理解できていないとは思っているのですが）

 

お返事は時間ができたときで結構です。くれぐれも無理をなさらないよう、睡眠時間の確保も合わせてよろしくお願いします。

 

 

【問いに対して】

 

 

お気遣いありがとうございます😊

 

教行証文類を学習する際に、木を見て森を見ないというところがこういうところにもあります。

 

こういうポイントが「三業惑乱」になったのかもしれませんね。

 

信楽さんが純粋石泉ではないのでこういうポイントが不明瞭なのかもしれません。

(信楽さんを貶めるのではなく、本人がわかっているから、書く時に「当然」として書き漏らすということがあります。)

 

 

ただ純粋石泉では、こういうポイントを明確にします。

 

まず、本願寺出版の「現代語訳」で学ばれている前提ですと、53ぺージの真ん中へんに「二諦」があり脚注に俗諦を「現象界」と釈しているのですが、こう釈すると「法性が衆生をさとりに入らせる」の意味の解釈が深くなりすぎて、よくわからないことになります。

 

ここの俗諦は「真理の言語化」と解釈する方がわかりやすくなります。

つまり教えのことです。

 

そして59ページの【21】(安楽集)「大智度論」のはじめのところに「他のさまざまなな三昧も三昧ではないというわけではない」とあり、仏の名号を聞けば不退転に至ると論が展開されます。

 

この部分から後はしばらく称名念仏を往生成仏の因として解釈されて行きます。

 

72ページ【21】の観念法門に摂生増上縁のところで凡夫に念仏の行をおさめるように証明されていると示されます。

73ページの【33】のまえに証生増上縁とあります。

 

この72ページの【21】のまえが「善導の六字釈」です。

そして74ページの【34】から親鸞さんの六字釈(二字釈)があって「ナモ」する中に正定聚に定まると言うことを解釈されます。

 

本来正定聚は「往生後」ですから、ここから往生がスタートすると読めます。

 

76ページの【35】「五会法事讃」からは悟りの本質を一如無念、無生であるなど本質を含め、

阿弥陀仏の教えが私たちを真実の悟りに導くあり方が、他の引文を含めて述べられていきます。

 

97ページに飛びますが、【51】の前に「そのすべての徳がみな阿弥陀仏の四字にあらわされている」と書かれています。

 

ここで親鸞さんの四字釈が表されているのです。

 

つまり親鸞さんにおいては「ナモ」する対象の「阿弥陀仏」が真如そのものであると言うことを結論付けます。

 

ここからザクっといえば、念仏の功徳を説かれている、と飛ばしますが、111ページの【73】に行一念の解釈をされます。

 

つまり真宗における行は聞名と称名であると言うことが行文類には示されていくのです。

この聞名と称名のあいだに「縁信心と因信心」が表されています。

 

59ページの【21】にある様々な三昧と念仏の価値は同じであると言う論の展開です。

 

そして116ページの、第5回向門から利他について書かれていきます。

 

ここで「行の結論」として120ページの最後のところから第11願が出されて、正定聚に住することと121ページに第22願が引用され「還相回向」が示されます。

 

ここから後はこの行を信じるものと、そうでないものについて示されて「真実と仮」のものと明確に対象されていかれます。

 

つまり、じつは行文類に、真宗はすべて完結されているのです。(信、証、真仏土、化身土)

 

137ページの終わりの所に念仏と諸々の善を比較して「本願の一乗海」の念仏の行をおさめるものは金剛の信心を得たものであると言い切っておられます。

 

141ページの【101】に真実の行信と方便の行信を示されて正信偈に移って行かれます。

 

このように行文類においては真実の行を念仏とし、それは他の三昧と同じであると言うことを示されています。

 

その根拠は、阿弥陀仏の真如法性を根拠として、信心が因になると言う真実を明確にされている点です。

 

次に信文類の序文のところに、「一心をあらわされた浄土論のご文を開く」と156ページにありますが、親鸞さんは徹底して浄土論に根拠を求めています。

 

160ページの最後から3行目の所に「信心を得るのは如来が衆生のために加えられるすぐれた力による」とあります。

 

これを如来より賜りたる信心と言えなくもないのですが、これは如来が与える縁信心と因信心をまとめて表現されていると言う部分であり、行文類にすでに説明されている部分です。

 

ここから信心の有りようを示されていて165ページの最後あたりに「無碍光如来のみ名を称する」と始まって166ページ167ページに「如実修行相応」について説明が行われます。

 

これは真如に相応した行を意味します。。

 

ここから174ページにいたり信心と行の有りようをもって「真の仏弟子」と示されています。

ここから先については信心についての説明ですので、

 

今の問いについては、この部分を飛ばしてお話を続けます。

 

ただ1つポイントがあり207ページの【33】の所に「信に二種ある」と書かれています。

これが行文類にもある「縁信心と因信心」を示しています。

 

さて、ここで「聞見」と「観察門」の関係について「真仏土文類」417ページの【21】まで飛びます。

 

この部分が信楽先生の三業についての問題の答えを示しています。

 

419ページの5行目からを見て下さい。

 

如来を見ることと如来の声を聞くことを聞見としてまとめられています。

 

417ページの【21】の涅槃経の引文。

「眼見、聞見」あり、「聞見」は衆生のためと420ページの3行目にあります。

「聞=見」です。

 

そして、420ページの【22】を見て下さい。

「帰命尽十方無碍光如来と願うことが浄土のあり方を観察することと同じ」と書かれています。

 

これ以降については、阿弥陀如来と真如の関係等について詳細されています。

 

439ページの7行目に「仏がおいでになってもおいでにならなくてもすべてのものの本性は常に空であります。その本性が空であると言うことがすなわち涅槃です」とその本質について書かれています。

 

また、440ページの6行目に「確かに阿弥陀仏は報身だとして、(わたしと阿弥陀仏が)身を滅して涅槃に入るとしても阿弥陀仏が報身であるごとに差し支えがない。智慧のある人々はこれがわかるであろう」と書かれています。

 

448ページに阿弥陀如来の願いに真実と方便があるとされていて、その光明の結論が「浄土論」には「帰命尽十方無碍光如来」と言われていると示されます。

 

真仏土の結論として、8行目から「限りない光明の世界」、9行目には「あらゆる智慧を備えた世界」と解釈され、「浄土論にははかりしれないことは虚空のようであり、広大であって極まりない。」と書かれており、

 

また往生とは「極まりなくすぐれたさとりの身を得る」等と「無量寿経と浄土論」によって真実の結論を示されています。      

 

結果ご質問の回答としましては、親鸞聖人においては「見る(観仏)と聞く(聞名)は同じである」という前提でさとりへ至るための、行を五念門に定義しながら論を進め結論に至っておられます。

 

 

 

 

2、質疑応答編30/10/12

【ニワトリが先か卵が先か】

 

《問い》

ダーウィン『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。』

 

↑

このあたりはいかがでしょうか？

 

 

《わたし》

ダーウインは進化のプロセスから論じています。

 

そういう意味での生き残るというのは、「種」の問題です。

 

もともと「人間種」は「サルから進化」したというのは間違っていて、

「サル」はサルであって、人間にはならないというのが「種の起源」です。

 

あくまでも「人間種の起源」は「原人(ホモサピエンス)」です。

 

あのよく見かける図を「キリスト教徒」が見て、激怒し間違って伝わったといいます。

 

キリスト教社会ではいまでも「アダムとイヴ」ですから。。

 

よくあるはなしで

「ニワトリが先か卵が先か」というはなしがありますが、

論理上これは「卵」です。

 

ニワトリが生きていくなかで「変化が必要」と判断して、そのDNAが卵に宿って新しい「種」を生みます。

 

もちろんこれは論理学上のはなしで、ダーウインがいったというものではありません。

 

ダーウインは、「種」の観点から論じていますが、

 

ひとつの生命体という観点から見ても、

「会社で部署が変わった」「上司が変わっていままでとは正反対になった」とかいった場合に、

変化できるかどうかは重要です。

 

まずは悪い面でいえば「本願寺の上層部が変わったからいままで白だったものを黒だといえ」と言われて「ハイそうします」というようなケース。

 

これではDNAは変化しません。

たんなる「条件づけ行動」「条件づけ思考」ですから進歩しません。

 

これを良い面でいえば「法は無常だから受け入れて、どうさとりへのメッセージ」と思考し行動するかという側面です。

 

良い面でさらにいえば、上層部のいうことを「どう公共の利益(りえき)になるように実現することができるか」といった「智慧」に高められるかという側面でとりくめるかどうかです。

 

そういう意味では「変化」は「智慧」の産物といえるのかもしれません。

 

 

 

 

1、質疑応答編30/10/08

 

《ご門徒さんからの問い》

 

【1】三帰依文「人身受け難し・・」に関して

 

ある寺院では、毎月の「法座」の冒頭はいつも三帰依文唱和です。

「人身受けがたし。。」というものです。

 

お西とお東の学びはどういった点が違うのでしょうか？

 

 

【2】質問というか、確認です。

私は、書き下し文だけではなかなか意味がわからず、浄土三部経、教行証文類とも、本願寺出版発行の現代語訳も使っていて、最近は、朝のお勤めの最後にその一部を読み上げたりもしています。

 

読み進める中で、本では「仏（ほとけ）」「仏がた（ほとけがた）」とルビがふってある部分を、「仏（ぶつ）」「諸仏（しょぶつ）」と読み替えて進めていますが、おかしいでしょうか？

 

 

《わたし》

 

【1】についてですが、わたしの近隣のお東さんの寺院も同じで、同じ質問をその住職さんからもされたことがあります。

 

お東の先生は明治時代から斬新なかたが多いのに、意外と「儀礼的には保守」のようです。

 

「人身受けがたし。。。」を唱和するのは、お東さんの寺院では今でも普通です。

 

お西がこれをやめたのは「時流」だといえます。

 

昭和末期以来、この文言はほとんど使われていません。

 

昭和の布教使は「ご讃題」でこればかりの人も多かったものです。

 

いずれにせよ、お西は良きにつけ悪しきにつけ、世間の時流に乗りやすいので、ジェンダーが問題になった時には速攻「法名」の「尼」をとりました。

これは本山下付のものについてであり「各寺院において」は住職の判断に委ねられています。

 

 

またお東は、意外と時流に左右されません。

斬新なかたが多いのです。

 

なにが斬新かというと、「仏教学や哲学の観点から真宗理解をされた」という点だと思います。

 

 

清沢満之さんからの改革派のかたは、「教えられたことに疑問を持て！」が基本であり、教科書通りの内容には「ダメ出しされる」という学びをされているようです。

 

わたしならぬわたしも「ごもっとも」と思います。

 

 

このような宗派の性格に違いがあり、お西は「変成男子」も読みません。

 

しかし、時流に関わらず、明らかに「人身受けがたし。。」の文言は、現代では「自己満とセクトのエゴイズムか動物愛護精神がない」と受け取られる懸念もあります。

 

現代ではというのは、江戸時代の鎖国の世の中では、「儒教仏教に生きるか俗に生きるか」の基本二者選択でした。

宗派が違っても、同じ「人身受けがたし。。」を読んでいたのです。

 

以前「輪廻説」は「カースト」のための論と書きました。

 

実際、インドの人権活動家のアンベードカルという人は、「ブッダはカーストを批判し、輪廻説からの脱出を説き、治外法権グループを作った」と提唱しました。

 

輪廻説は「あなたが差別されるのは、前世の行いが悪いのです。」「現世でお上の言うとおりすれば来世はいいところに行けます。」というものですから、差別を正当化する理論です。

 

江戸幕府では歴史的にお寺はお役所で、僧侶はいわゆる国家公務員でした。

これは寺請制度という「キリスト教排除」のためのシステムの一環です。

 

ですから、幕府は仏教僧侶に「儒教仏教を説くよう」命じて「輪廻説を説くよう」に命じています。

「平等論などとんでもない」という時代です。(仁義礼智信の目上を敬う思想を儒教としました。)

 

そういう観点では、「動物に生まれなくてよかったね。しかも仏教のおかげで来世は極楽に行けるんですよ。」という意味で唱えられてきたと言えます。

(マジ仏教が失われたヒンズー教のインドも同じかもしれません。)

 

このように、寺請制度の時代に「ムリクリ」よかったねと言わせて民衆の不満をそらせた。

お上(おかみ)の国民操作だったともいえます。

そもそもこの文言の作者は不詳です。

 

 

しかし現代のグローバルで「選択肢が膨大」な時代においては、この文言は自己満または「動物愛護」の精神に反すると受けとられても仕方がないでしょう。

 

また、明治からやっと「教行証文類」などを一般的に読めるようになった状況下で、教えられたからといって「安易」に「いわれたからやる」というのも時代錯誤感があります。

 

しかも教行証文類を、本当に一般の人が読めるようになったのは、昭和40年ごろです。

それまでは「宗派の各寺院」に薄い和綴(わとじ)の漢文の書が配布されてあったぐらいです。

 

しかも第2次大戦時は教行証文類の「主上臣下、法に背き。。。」の部分を墨で塗りつぶされた歴史もあります。

 

つい最近まで教学は時代に左右されてきたんです。

 

それほど教行証文類に直接いろいろな角度から論じ触れる学習は近年なんです。

 

それまでは、学派や安居や龍大で、先生が江戸宗学から伝わって来た「儒教仏教真宗」をもとにした「講義文章を読み上げ」て、生徒はただ必死に筆記するというものでした。

 

コピー機もない時代です。

 

本当に父の大学時代の教科書は「修飾語だらけ」でなにがいいたいのか、現代人が見たら「自画自賛」的な意味不明なものです。

そこには「真如論もさとりの内容」もありません。

 

戦後に進んだのは「仏教学」です。

幸か不幸か「大谷光瑞さんの探検」によって、サンスクリット原典が発見された影響が大きいのです。

 

しかし、親鸞聖人の仏教はそもそも日本製なので、仏教学として研究されなかったのと、真宗学者が保身のためかなんなのか「真宗学さえ学べば良い」「一切経は真宗にあり、三部経中の一切経を学べ」といって、仏教学は余乗として「学ぶ必要のないもの」としました。

 

ことに空華派はこれを強調したのです。

 

清沢満之さんは、真宗を西洋哲学と並行させたので、かなりグローバルで斬新でした。

 

こういった時代背景を無視して、未だに進歩しないのが、真宗学であり、真宗寺院です。

 

わたしは若いころ「勧学」を目指しましたが、アホらしくなってやめました。

いちおう真宗学の最低学位の「得業」ですから、安居にも4回出てやめ、石泉はまともだと思い、灘本和上に教行証文類を1年学びました。

 

教授でも和上でもない「一匹オオカミ布教使」のいうことなど誰も相手にしませんが、みなさんや一部のかたが真剣に聞いてくださるので、このHPを「誰も言わない、書かないことを積み上げる」場所にしたんです。

 

みなさんがおられなければ、わたしという物体の脳の中に置きっ放しになっていたものです。

 

 

【2】について

正像末和讃の善光寺讃に「物部の守屋」が仏教を「ほとをりけ」とおとしめて外道とともに「如来をほとけと定めていやしめた」とあり、親鸞聖人は「ホトケ」という表現をヘイト語として使いません。

 

日本に仏教が百済から初めて入ってきたときのことです。

 

たまたまその時に「熱病」が流行したのです。

「蘇我氏」は仏教を入れる派「物部氏」は入れない派で、権力闘争中の出来事です。

 

そこで「物部氏」は「外国の神などもってのほかだ」と主張していました。

仏について「神」と同じ概念だったんです。

そんなタイミングに「熱病」ですから物部さんは「ブツは”ほとをりけ”だ」とヘイトしました。

 

じつは仏(ブツ)をホトケと言い換える理由については「ブッダの流儀」を「浮図家(フトケ)といっていた」など諸説あります。

 

しかし、親鸞聖人にとっては「ヘイト」でしかないという点。

 

また現代において「真如法性」をあえて「ホトケさん」という人格表現にすると誤解を受ける。

 

という2点において、

 

わたしは「ホトケさん」「阿弥陀さん」という人格表現は「お年寄り向け」以外の場では使いません。

(不適切な表現かも知れませんが、事実お年寄りには「真如法性」といっても難しいといわれることが多いのです。)

 

以上